2023/10/28
「コロナワクチンは打っておいたほうがいい?」「インフルエンザワクチンと同時に打ってもいいの?順番は?」「直近でコロナに感染したけどワクチン打っても大丈夫?」などなど、外来ではワクチンに関するいろいろな質問を受けます。今回はよくある質問に対し、現状を踏まえ、これまでの見識に基づいてお話したいと思います。
Q:やっぱりコロナワクチンは打っておいたほうがいい?
A:ワクチンに対する拒絶的な感情がなければ接種することをお勧めします。
ワクチン接種による感染予防・発症予防効果は2~3か月持続し、重症化予防効果は1年以上持続することが知られています。当院を受診される患者さんは高血圧・心不全・糖尿病・肺気腫・閉塞性動脈硬化症・肥満など重症化リスクをお持ちの方が多いので基本的には「打っておいた方がいいですよ」とお答えしています。何らかの理由でワクチンに対して、強い抵抗感を示す方々の意見も尊重すべきだと考えています。
Q:インフルエンザワクチンなど他のワクチンと同時に接種できる?
A:インフルエンザワクチンのみ同時に接種できます。(2023年10月時点)
オミクロン株対応ワクチンはインフルエンザワクチンとの同時接種が可能です。ただし、インフルエンザワクチン以外のワクチンはオミクロン株対応ワクチンと同時に接種できません。互いに片方のワクチンを受けてから2週間後に接種してください。
Q:コロナワクチンとインフルエンザワクチン、どちらを先に打てばよい?
A:同時接種可能ですが、なんだか不安という方は現状を把握することをお勧めします。
和歌山県における、コロナ新規感染者は2023年7月第2週から9月第1週でピーク(いわゆる第9波)を認め、2023年9月第2週以降は減少傾向にあります。一方、インフルエンザ新規感染者数は2023年8月第4週頃から徐々に上昇傾向にあり、2023年10月第1週でその人数は逆転しています。これまでの第1~8波は間隔が4~6か月であったこと、インフルエンザの流行期が本来1月であることから、しばらくはインフルエンザをより警戒すべきかもしれません。ワクチン接種に決められた順番はありません。ワクチンはインフルエンザワクチン以外にも肺炎球菌ワクチン、帯状疱疹ワクチン、子宮頸がんワクチンなどたくさんあります。接種は流行の少し前に適切に選択をする必要があります。発生状況に関しては和歌山市保健所から定期的に発表されますのでチェックしてください。
Q:直近でコロナに感染したけど、ワクチン打っても大丈夫?
A:大丈夫です。
感染後、体調が回復して接種を希望する際はその治療内容や感染からの期間に関わらずワクチンを接種することができます。自然に感染するよりもワクチン接種の方がウイルスに対する血中の抗体価が高くなることや多様な変異に対する抗体の産生が報告されています。
今回は以上になります。書ききれなかったことも多いので不明な点があれば気軽に聞いてください。