舩橋クリニック|和歌山市岩橋の心臓血管外科・内科・放射線科

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新南田井ノ瀬橋 完成

旧南田井ノ瀬橋は幅が狭く、大型車両の通行に不便があったため、2016年に新橋の再建築事業が開始されました。2020年から本格的な工事が始まり、この度、202492016時に開通することが発表されました。新南田井ノ瀬橋は車道が幅3m2車線、両側に幅3mの歩道が設置されており、旧南田井ノ瀬橋の車道幅4.5m、歩道1.5mと比べるとかなり広々とした設計になっています。

旧南田井ノ瀬橋は1955年に完成し、今年で69年を迎えます。その前身である田井ノ瀬橋は木橋で、1879年に完成しました。その後、1955年までの76年間、何度も修理を重ねながら大切に使われていたのでしょうか。このあたりの歴史をご存じの方がいらっしゃれば教えていただきたいです。

旧南田井ノ瀬橋に関していくつか思い出があります。小学45年の頃だったと思いますが、旧橋の近くには牛舎がありました。牛を観察した後、橋の上から川を眺めるのが夏休みの日課でした。ある日、橋の上から川でキラキラと泳ぐ魚を見つけ、その正体を探りたくなりました。藪が深く、川岸までたどり着けなかったので、橋の上から釣り上げようと試みました。針にミミズをつけて、十数メートル下まで糸を垂らし、何日も挑戦しましたが、結局一度も釣り上げることはできませんでした。しかし、あの青や赤、黄色にも見える不思議な魚の色彩は今でも鮮明に覚えています。「絶対、放棄されて野生化した巨大グッピーや」と想像しながら釣り竿を家まで取りに走ったことは今となっては懐かしい思い出です。そんな一人暴走の事実を隠しながら、日曜日には父と旧橋を渡り、対岸でブラックバスやナマズを釣ったものです。父も旧橋をよく利用していたようで、油絵でスケッチしていました。その絵は裏口の発熱患者さんを診察するところに飾ってありますので、機会があればご覧ください。

入り口が封鎖された薄緑色の旧橋にはどこか哀愁が漂っており、撤去を待つ姿を見ると少し切ない気持ちになります。しかし、歴史を受け継ぎながら新しい橋が地域に新たな活気をもたらしてくれることでしょう。今年1月には、新橋の完成に先立って、西和佐小学校の学生がアスファルト舗装前の橋の上で絵を描いたというニュースがありました。未来に続く素敵な思い出になると思います。数十年後、新しい橋が再び建て替えられる際には、「私、開通前に橋の上で絵を描いたんよ」と、ひ孫に語る姿が目に浮かびます。

開通後は、旧橋への最後の思いを抱きながら、さっそく新橋を歩いてみたいと思います。
皆さんも散歩コースを少し延ばして、新南田井ノ瀬橋まで寄り道してみてはいかがですか。