舩橋クリニック|和歌山市岩橋の心臓血管外科・内科・放射線科

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ウォーキングのすすめ

人間は本来歩く動物です。しかし、現代は乗り物が発達しデスクワークが主流となり、歩く機会が極端に減りました。座る時間が長くなると生活習慣病の発症や悪化のリスクが高まり健康寿命が短くなることはこれまでの研究で明らかになっています。なぜ、歩くことは体に良いのでしょうか?その効果についてまずは説明します。

1、骨や筋肉が丈夫になる
歩くことで骨に負荷がかかり、この刺激によって骨を作る細胞の働きが活発になることが分かっています。筋肉も自然と鍛えられ腰痛や膝痛の予防・改善効果が期待できます。

2、血行が良くなる
歩くと血の巡りが良くなります。全身の細胞に酸素と栄養が行き渡るため、冷えが解消されます。血行が良くなることで血管内に「血管内皮増殖因子」という物質が放出され血管の修復や新生が促されることも分かっています。

3、自律神経が整う
歩くと自律神経のバランスが整います。胃腸の機能は自律神経のコントロール下にありますので逆流性食道炎、過敏性腸症候群、便秘などがよくなります。また、脳内の「セロトニン」という幸せホルモンが増えます。うつ病はセロトニンが不足する病気ですので歩くことでうつ病は良くなります。午前中に歩いて日光を浴びることは夜間睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌を促し不眠も改善されます。

4、脳の血流が増える
歩くことで脳の血流が良くなります。加齢とともに脳の血流は低下し、脳機能の低下を招きますが、歩くことで年齢に関係なく脳の神経細胞が増えます。

5、免疫機能が活性化する
日中、屋外で歩くことは免疫反応をコントロールするビタミンD産生が活発になります。また紫外線にあたるとウイルスが不活性化するという利点もあります。

 以上のように歩くことはいいことずくめです。食事と運動で根本的な改善を目指すことが本来の医療だと思います。
真の健康を手に入れるために今日からぜひ歩きましょう。歩行時は以下の点に留意してください。

歩く姿勢について
1、下腹部を下から持ち上げるように引き締める
2、頭のてっぺんをひもで引き上げられたつもりで背筋をしっかり伸ばし、軽く胸を張る
3、膝を軽く伸ばし、足先を引き上げてかかとから着地。そのかかとの上に素早く腰を乗せる

歩く時間帯について
歩く時間帯に関してはいつでも構いませんが、不眠症状がある場合は朝日を浴びながら歩きましょう。高血圧の方は血圧が高くなりやすい寒い日や早朝などは避けましょう。日焼けやシミを気にして歩かない女性がおられますが、適度な紫外線には骨粗しょう症や感染症を予防する効果がありますので、過度に気にしないでください。どうしても気になる場合は比較的紫外線が少ない早朝や夕方に歩くのが良いでしょう。

歩く時間について
理想は1日合計30分ほどです。10分×3回でも良いですし、5分×6回でもOK。最初から30分と意気込む必要はありません。人はやる気が出たから何かを始めるのではなく、やり始めたことに対してやる気が出る性質を持っていることが、脳科学の研究でもわかっています。大きなことからやろうとせず、まずは小さなことから手をつけること、あれこれ考える前に1分歩いてみましょう。